・ギャラリーわいち設立は、輪島の朝市が立てられる本町通り商店街と重蔵神社の間にあるわいち商店街(輪島で一番になろうの意味)の空き店舗活用依頼を受けることから始まりました。
自由な発表の場を持ちたい、漆器の良さを使い手に伝えたい、人のつながりを深めたい、元気な街を創りたい、などの思いを込めて、木地師・木地屋が三人、塗師が二人、塗りから蒔絵までこなす漆芸家が四人の九名が参加したのです。
私たちが基本設計した店舗は、床には柔らかな優しい大谷石、壁には田んぼの土を漉き込んだ輪島の手漉き和紙、展示棚には能登産のアテ(あすなろ)の木使いました。頭上には新たに三度の拭き漆加工を施した、93年前の晒し天井が広がります。スポットライトがおのおのの作品をやさしく照らし、自然素材にこだわった店内は新鮮で気持ちの良い空間となりました。キャッチフレーズは「うるしはともだち」です。常設は九人の漆作品ですが、それだけではなく、九人が全国各地で出会い、感動を重ねた、職人や作家、アーティストを輪島に呼び込み、展示会、レクチャー、ワークショップ等を開くのです。開店以来、常設展をはじめ、5回の企画展を開催することによって、市内はもとより、県内外より多くの方々がわいちを目ざして輪島に来ていただけるようになりました。ギャラリーわいちが、多くの方々との交流と様々な刺激を受け、情報を発信する「場」となったのです。
「思い、考え、つくり、出会い、交流する。」これを繰り返すことにより、より多くの知識と経験が積み重なります。私たちは自分が信じた漆器を作り出し、現代生活に少しでも広げることが自身への刺激となります。その刺激が人の輪を大きくし、さらには元気の良い街づくりへとつながっていくのではないでしょうか。