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■朴木地屋:桐本木工所

・桐本木工所は、昭和のはじめ初代桐本久幸が独立したのが始まりです。昭和40年代はじめに座卓、飾棚、衝立、屏風等の家具を創り出す設備投資を行い現在に至っています。
卓上の小物・器、和洋家具全般、建築造作関係にいたるまで、他に例を見ない幅広い木工製品を創り出しています。
漆器の品質維持の基本の一つは木地づくりであると想います。私たちは、木材を丸太で購入し、それぞれの特徴を見極めた後、用途に応じて製材します。天日で3年ほど自然乾燥させた後、輪島市内の倉庫にて最低5〜6年落ち着かせて使用します。
特に性質の良い木材は吟味物製作のため10〜20年寝かせてあります。
このように表に出ない木材の取り扱いが、良質の漆と丁寧な漆塗りを施す漆器の技法に耐えうる木地づくりの基礎となっているのです。

■漆器の良さを使い手の方々に伝えたい

・漆器とは木などを加工した素地に、漆の木の樹液を塗り重ねて作ります。木や漆をはじめ、自然からの恵みを使い、多くの職人さんが製作に携わります。製作する時にも、木のヘラや女性の髪から作られる刷毛など、手作りの道具を大切に使います。少々、手間はかかりますが、丈夫で長持ちします。使い込んで傷ついても、丁寧な塗りが施されていれば塗り直せるのです。
その塗膜の表情は「ふっくら」「しっとり」「深み」といった言葉に表現されることがあります。実際、手にとって口を付けてみますとわかりますが、漆器は手に馴染み、唇には柔らかく、見る目にも美しく、ヒトの感性を豊かにしてくれます。
モノが氾濫して、人の生活はとても便利になったと言われます。しかし、便利さと効率ばかりを追った結果、現代人が疲れを感じているのも事実です。そして今、迫りくる環境問題に慌てて対処しているのではないでしょうか。
木を素地として使い、漆を塗る漆器づくりは、環境にやさしい無公害のモノづくりなのです。しかし、私は使い手の方々と接するたびに「扱いが面倒」「かぶれるのではないか?」「価格が高い」等、漆器の良さが伝わらず、欠点らしき所ばかりが強調されているように感じています。何とか作り出す私たちからこうした誤解を解いて、少しでも漆器を今の生活に再び馴染ませたいと思っているのです。